第23回 地域活性化支援制度
応募いただいた26先から選考の結果、受賞先8先、総額450万円の助成を決定致しました。
第23回 地域活性化支援制度目録贈呈式の様子
助成先及び助成理由
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株式会社Story Agent 代表取締役 西原 総司 | 西日本豪雨災害で被災した地区において開設した醸造所にて、クラフトビールの醸造・販売を行う事業が、呉市のブランド力向上に繋がり、地域活性化に寄与。 |
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株式会社瀬戸内農場 代表取締役 新谷 隆一 | 「凍結解凍覚醒法」という品種改良技術を用いて本州初の国産珈琲農園を新規に開園する事業が、新たな地域産品の開発に繋がり、地域活性化に寄与。 |
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御菓子処 喜栄 代表 木坂 勇太 | 広島県産の食材を原材料に使用した和菓子を製造・販売する店舗の開業が、地域の賑わい創出に繋がり、地域活性化に寄与。 |
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株式会社ヒラオカ 代表取締役 平岡 哲也 | 自治体や地域の事業者と連携し、江田島市の銘水や規格外の農産物を使用したクラフトビールの製造・販売を行う事業が、地域活性化に寄与。 |
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安芸水産 輝 代表 熊原 拓朗 | 呉湾(広地区海域)にてアサリの完全養殖を行い、呉ブランドとして開発する事業が、地域の漁業者の活性化に貢献し、地域活性化に寄与。 |
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PPP DESIGN 代表 下野 隆司 | 呉地域の空き物件を有するオーナーと創業希望者をマッチングし、物件の管理まで携わる「現代版・家守事業」の運営が、地域課題の解決に繋がり、地域活性化に寄与。 |
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株式会社新川 代表取締役 新川 貴志 | 空き家を活用したコワーキングスペースの運営による創業者と地元の事業者が繋がる交流拠点を提供する事業が、地域の創業機運の醸成に繋がり、地域活性化に寄与。 |
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SHITAMATSU 有限会社 代表取締役 下松 由香 | 独自のカリキュラムによる児童発達支援放課後等デイサービスの開業が、子ども達が活発に過ごせる街づくりに繋がり、地域活性化に寄与。 |
第23回地域活性化支援制度「幸運(グッドラック)」には26件の応募がありました。
応募された事業内容は、① ものづくりに関する事業が2件、② 食に関する事業が10件、③ 情報、システムなどIT系に関する事業が1件、④ 社会福祉・介護に関する事業が3件、⑤ その他サービスとして『生活支援のためのサービス』に関する事業が10件で、その多くが起業・創業あるいは第二創業を目指す事業でした。
応募された事業案について、公益社団法人アクティブベースくれ事務局による「書面調査、実地確認」および選考委員による「書面審査」により10件に絞りました。さらに、令和3年10月14日の選考委員会において、この10件に対しできる限りの感染症拡大防止対策を講じて「対面型のプレゼンテーションによる意見聴取・質疑応答」を実施し、厳正かつ慎重に審査を行いました。審査にあたっては、公益社団法人アクティブベースくれの設立目的であります「呉市及びその周辺地域において、地域の活性化・振興につながる起業・新規事業(新分野進出)あるいは社会的・文化的活動に対して資金援助を行うこと」を選考委員全員で再確認し、「起業・創業」による地域の活性化・振興、雇用創出、新規性や実行可能性を中心に審査を行いました。
わが国の産業界は、Society5.0と呼ばれるAI、ビッグデータ、IOTやICTなどの先端技術を活用し社会課題を解決する「超スマートなデジタル創造社会」への対応が迫られています。日本経済を支えてきた重厚長大型の製造業は、その生産拠点を労働賃金の安い新興産業国に移転し、代わって情報関連のサービス産業が台頭してきました。呉のモノづくり産業も例外ではなく、大規模な施設、設備を必要とする伝統的な重厚長大型の造船、鉄鋼といった製造業は低迷し、小規模な施設、設備のITを活用した情報関連事業などのソフトウエア系のものづくり産業へ、そして近年はAI、ビッグデータやICTなどの先端技術を活用したデジタル系サービス産業やSNSやネット通販など社会生活に密着した社会関連サービス産業へのシフトが顕著になってきました。それに加えて新型コロナウイルス感染症の影響により、社会生活や経済活動は制限され、これまでの生活様式や産業構造は大きく変わってきました。
経済活動においては、海外との往来が制限されたため製造業を中心にしたサプライチェーン(供給網)に滞りが生じ、製産拠点の国内回帰を含め産業構造の見直しが強いられています。そうしたなか地元呉では、長年の伝統的ものづくり産業を支えてきた鉄鋼大手の事業所が閉鎖され、地域産業に大きな衝撃を与えました。そして、新たな社会目標となったSDGs(持続可能な開発目標)への対応やカーボンフリーを中心にした環境への対応など、企業の経営環境は厳しさを増すばかりです。特に中小事業者においては、後継者不足は深刻で事業承継や技術の伝承がままならず、現代風にアレンジすることを求められたり、代々受け継いだ業態の変革を迫られるなど、新たな課題にも直面しています。住民生活においては、高齢化、過疎化により空き家が増え地域の活力も衰退し、また日常生活においては、障がい者、高齢者のみならず支援を必要とする生活弱者の広がりも深刻さを増しています。
Withコロナ、Afterコロナへの対応が求められるなか、今回応募された事業案は、いずれも変化の激しい経営環境に順応できる事業目的、実行可能性、資金計画、利益計画や新規性等しっかりとした展望・計画を持たれており、事業化に向け日々研鑽され優劣つけがたく審査に苦労しました。審査の決め手は、事業者の強い熱意と新規性(他にないアイデア)でした。
審査の結果、選考委員会は『助成先及び助成理由』に紹介されています8件を助成先に採択しました。今回の助成先が8件とこれまでになく多くなったのは、ブランド品開発、働き方改革や生活支援など今日的テーマの事業案が多く、事業者の熱意があふれるものばかりで、審査委員の評価が今まで以上に高かったためです。採択された8件を❶「食」をテーマに特産品・名産品開発、ブランド化や老舗店事業を守り創業に取り組む事業、❷働き方改革・地域の活性化に取り組む事業、➌生活支援のためのサービスに取り組む事業に大別し講評を記します。一つひとつの事業内容、授賞理由については、「助成先及び助成理由」をお読みいただければ幸いです。
❶「食」をテーマに特産品・名産品の開発、ブランド化や老舗店の事業を守り創業に取り組む事業
・コーヒー農園の開園と呉産コーヒーの商品化(株式会社瀬戸内農場)
・第2の呉ビール(株式会社Story Agent)
・江田島クラフトビール(株式会社ヒラオカ)
・詩心あふれる和洋菓子(御菓子処 喜栄)
・呉産アサリ(安芸水産 輝)
最近の応募される事業案には、伝統的な重厚長大型のモノづくりではなく、生活や心を豊かにする生活密着型のモノづくり事業、例えば食に関するものが多くあります。地域ブランド品の開発は、雇用の創出による地域の振興など地域の課題解決につながり、複次的な地域への経済的波及効果が期待できます。今回の「凍結解凍覚醒法」という品種改良技術を用いた国産珈琲農園の開園事業は、本州では初めての事業化であり注目しました。地域の特産品を使った食に関する商品開発は、地域住民に元気を与え、地域の活性化にもつながります。また、老舗店の文化や歴史のなかで培われてきた伝統技術と味を守り引き継ぐため創業する事業があります。地元に愛された和菓子の製造、販売において、生活様式の多様化、ネット販売の普及、とりわけコロナ禍における新しい生活様式(New Normal)にフィットする既存のものにとらわれない新たな取り組みも求められています。
こうした地域ブランド、地ビールなどの地域限定商品の開発や老舗店の伝統を引き継ぐことが、地域住民の生活やこころを豊かにし、地域の活性化につながることを期待します。
❷働き方改革によるワーキングスペースの創出、「現代版家守」と空き家の解消により地域の活性化に取り組む事業
・コワーキングスペースの創出(株式会社新川)
・現代版家守事業の展開(PPP DESIGN)
高齢化、人口減による空き家の増加など地域が抱える課題は多く、呉地域も例外ではありません。コワーキングスペースの創出、定住者を呼び込む仕掛けづくりと空き家の管理「現代版家守」に取り組む事業があります。働き方改革のなかで、本社機能の移転やワーケーションなど働き場所の地方へのシフトと居住者を増やす重要なカギは、「地域の魅力」です。「ヒトが集まる」、「ヒトを集める」ために、事業者と地域が連携、協力して魅力づくりに取り組み、発信することが地域の活性化につながります。にぎわいのある街、魅力ある呉になるための環境整備に寄与されることを期待します。
➌障害の有無、家庭環境やコロナ禍等により支援を必要とする子供(就学児童)へ生活支援サービスの提供に取り組む事業
・放課後等デイサービス(SHITAMATSU有限会社)
高齢者、障がい者・児や子どもへの支援は、市民生活に密着した福祉サービスを提供する事業者だけでなく市民、地域、行政も加わり四者が、連携して状況に応じた支援により安心して生活できる環境を整備することが重要です。特に、次世代を託す子どもたちへの支援は重要な課題の一つであり、子どもの自立、発達支援のため音楽や美術など独自のカリキュラムを創り取り組む事業があります。呉地域が、年齢や障がいの有無に関係なく、心豊かに安心安全で住みやすい街のモデルになることを期待します。
最後になりましたが、新型コロナウイルス感染症が世界中で猛威を振るい、私たちは感染拡大防止のため窮屈な生活を強いられてきました。そうした中で応募された事業者は、強い熱意と創意工夫のもと起業、創業や新規事業へ真摯に取り組まれており、審査委員一同深く敬意を表します。今回応募された事業者のみなさんが、AI等の先端技術を活用しながら今後も日々研鑽のうえ、呉地域の活性化、発展に貢献され、呉地域を元気にし、心豊かで安心して生活できる呉の実現に寄与されることを期待します。
そして、一日も早くコロナ禍が終息し、安心安全な生活が送れることを願っています。
令和3年11月22日
選考委員長
松尾 俊彦(広島文化学園大学 学長補佐)



