第22回 地域活性化支援制度
「幸運 (グッドラック)受賞者のご紹介

応募いただいた31先から選考の結果、受賞先7先、総額500万円の助成を決定致しました。

第22回 地域活性化支援制度目録贈呈式の様子

助成先及び助成理由

株式会社制服のフジ

代表取締役 金子 義文
海上自衛隊の制服製造で培った技術を活かし、Made in KUREブランドを立ち上げる事業が、地域活性化に寄与。

こども自然体験くじら堂

代表 嶋 愛
同一施設内にて子ども限定の自然体験ができる民泊や高齢者向け地域サロンの運営を通じて、世代間交流の場を提供する事業が、地域活性化に寄与。

合同会社キスハグ

代表社員 山川 真美
児童発達支援・放課後等デイサービスの開設を通じて、子ども達が活発に過ごせる街づくりが、地域活性化に寄与。

有限会社巴屋

代表取締役 小島 博之
低価格、省スペースで開業できるフランチャイズ事業の運営が、呉市の創業機運の醸成など、地域活性化に寄与。

e's

代表 山本 江利子
江田島にて収穫された規格外の牡蠣を用いた新たな地域産品づくりへの取り組みが、地域活性化に寄与。

トビシマベース

代表 齋藤 泰
地元の空き家を活用した「とびしま地域」への移住促進および定着を目的とした事業が、地域活性化に寄与。

有限会社ワークス

代表取締役 森田谷 薫
呉市初の瀬戸内産レモン料理専門店の開業を通じて、呉市の賑わいを創出する事業が、地域活性化に寄与。

 今回は31件の応募がありました。応募された事業内容は、①ものづくりに関する事業が3件、②情報、システムなどIT系に関する事業が1件、③社会福祉・介護に関する事業が3件、④食に関する事業が7件、⑤その他サービスとして『生活支援のためのサービス』に関する事業が17件で、その多くが起業・創業あるいは第二創業を目指す事業でした。

 応募された事業案について、公益社団法人アクティブベースくれ事務局による「書面調査、実地確認」および選考委員による「書面審査」により10件に絞りました。さらに、令和21013日の選考委員会において、この10件について「プレゼンテーションによる意見聴取・質疑応答」を実施し、厳正かつ慎重に審査を行いました。

 審査にあたっては、公益社団法人アクティブベースくれの設立目的であります「呉市及びその周辺地域において、地域の活性化・振興につながる起業・新規事業(新分野進出)あるいは社会的・文化的活動に対して資金援助を行うこと」を選考委員全員で再確認し、「起業・創業」による地域の活性化・振興、雇用創出、新規性や実行可能性を中心に審査を行いました。

 

 わが国の産業構造は、近年急速に第4次産業革命《Society5.0》と呼ばれるAIIoTやビッグデータなどを活用する「超スマート時代」に対応するため変化しています。そのため、長く日本経済を支えてきた重厚長大型の製造業は、生産拠点を賃金の安い海外に移転したため停滞し、代わってSNS、情報プラットフォームやネット通販など情報関連産業が台頭してきました。呉のモノづくり産業も例外ではなく、伝統的な重厚長大型の製造業からITを活用した情報関連事業などのソフトウエア系のものづくり産業へ、さらに近年はAI、ビッグデータを活用したサービス産業や社会生活に密着した社会関連産業へのシフトが顕著になってきました。

 また、後継者不足や生活様式の多様化などにより、技術、事業の継承や地域の伝統文化の伝承すらままならない状況です。技術や事業を後世に伝えるため、技術や伝統文化を現代風にアレンジすること、また老舗企業は代々受け継がれた業態を変革することを迫られるなど、新たな課題にも直面しています。さらに新たな社会目標(持続可能な開発目標)となったSDGsへの対応など、企業の経営環境は厳しさを増しています。

 

 応募された事業案は、これまで以上に様々な業種に分かれ、「その他サービスとして『生活支援のためのサービス』に関する事業」が17件と多く、社会の多様化を映し出したものになっています。いずれの事業案とも、厳しい経営環境に順応できる事業目的、実行可能性、資金計画、利益計画や新規性等においてしっかりとした展望・計画を持ち、事業化に向け日々研鑽されておられ、優劣つけがたいものばかりで審査は難航しましたが、その中で、選考委員会では『助成先及び助成理由』に紹介されています7件を助成先に採択しました。この7件を4つのカテゴリーに大別し講評を記します。一つひとつの事業の詳細については、「助成先及び助成理由」をお読みいただければ幸いです。

 

◆老舗企業の変革に取り組む事業が2

地域の文化や歴史のなかで培われてきた伝統の縫製、刺繍技術を現代風にアレンジし、オリジナル商品開発に取り組む事業があります。古くは海軍、そして海上自衛隊の街として呉の歴史とともに歩んできた縫製、刺繍技術を持つ老舗が、伝統にとらわれないこれまでとは違った取り組みにより新たな商品が創られました。これら創意工夫により生まれた商品が、ネットを通じて広まり地域の活性化に寄与することを期待します。また、地元に愛された食品製造、販売において、生活様式の多様化、ネット販売の普及、とりわけコロナ禍における新しい生活様式(New Normal)の影響もあり、創業以来守ってきた業態の変革を強いられています。時代の変化に沿い形を変えながら事業を続けることは、ある意味ひとつの経営戦略でありピンチをチャンスととらえ、呉地域の食文化が全国に広まり次世代に継承されることを期待します。

◆福祉・介護や子供への生活支援に取り組む事業が2

高齢者、障がい者や子どもへの支援は、高齢化率の高い呉地域においては喫緊の課題であり、市民生活に密着した福祉サービスを提供する事業者だけでなく市民、地域と行政も加わり、四者が連携して自助、共助、公助、互助のもと、サロンの開催など安心して生活できる環境整備が重要です。また、社会の急激な変化やDVは、子どもの発育に大きなストレスを与えます。次世代を託す子どもたちへの支援は重要な課題の一つであり、子どもの自立、発達支援に取り組む事業があります。呉地域が、年齢や障がいの有無に関係なく、安心安全で住みやすい街になることを期待します。

◆地域の特産品を使った食の開発に取り組む事業が2

地域の特産品のかき、レモンを使った食の開発に関する事業は、呉地域の伝統的な重厚長大型のモノづくりではなく、生活や心を豊かにする生活密着型のものづくりです。単なる起業、創業だけでなく、ブランド品の開発や雇用の創出による地域振興など地域の課題解決にもつながり、複次的に地域への波及効果が期待できます。また、地域の特産品を使った商品開発は、地域住民に元気を与え、地域の活性化にもつながります。これらの事業や商品が、SNSなどネットで広まり、呉地域発の新たなブランドに育つことを期待します。

◆町おこし・地域の活性化に取り組む事業が1

高齢化、人口減、空き家の増加など、地方が抱える課題は山積み状態です。呉地域も例外ではなく、特に島しょ部の人口減は深刻な状況になっています。そうした地域に定住者を呼び込む仕掛けづくりに取り組む事業があります。Uターン、Iターンなど定住者誘致のためには、移住への誘因となる「地域の魅力」が重要なカギになります。地域の活性化のために、産官学が連携し魅力づくりに取り組み、定住者増加のための環境整備を期待します。

 

 採択された7件に共通して言えることは、個々の事業内容や開発した商品を広めるため、様々な情報ツールを使った情報発信、情報の拡散が不可欠だということです。仲間と力を合わせ協働し、一人でも多くの人に皆さんの事業を知ってもらい、呉地域がこれまで以上に元気になることを期待しています。

 

 最後になりましたが、今年は春先から新型コロナウイルス感染症が世界中で猛威を振るい、今現在も私たちは感染拡大防止のため日々不自由な生活を強いられています。そうした中で応募された企業は、強い信念と創意工夫により起業、創業や新規事業へ真摯に取り組まれており、審査委員一同敬意を表します。

 

 一日も早くコロナ禍が終息し、安心安全な生活が送れることを願い、また今回応募されたみなさんが、今後も日々研鑽のうえ呉地域の活性化、振興、発展に貢献され、また技術、事業の継承により呉地域を元気にし、心豊かで安心して生活できる社会の実現に寄与されることを願っています。

 

          令和21119

          選考委員長

          松尾 俊彦(広島文化学園大学 学長補佐)

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